智慧の世界へ ソクラテス編2 ~ソクラテスの主張

よき友よ
出来る限り多量の蓄財や、また名聞や栄誉のことのみを念じて
かえって、知見や真理、また自分の霊魂をできる限り
善くすることについては少しも気にもかけず、
心を用いもしないことを君は恥ずかしいこと(恥辱)とは思わないのか。

『ソクラテスの弁明』

 ソ クラテスは、自分自身の無知を克服して智慧の世界に至り、真理を悟るためであれば命をも惜しまないという愛智の姿勢を貫いた人物です。真理を悟ることがで きなければ、人生は無意味だとさえ考えたのです。ですからソクラテスの全生涯とは「無知を克服し、智慧の世界に至ること」が最大の課題だったのです。

し かしソクラテスは、アテナイの貴族たちによって世を惑わす者として裁判にかけられ、死刑の判決を受けました。その理由は、自分の無知を知らされた知者と言 われる人々がソクラテスを憎み、敵意を抱いたことにもありますが、もう一つの理由は、貴族たちを中心とするアテナイの人々が信じていた神々を信じず、ソク ラテス自身の心の内に語りかけてくる神の声こそが本当の神であると信じ、その神にしたがって多くの青年達を惑わしたということによるものでした。

そ のソクラテスの考えを論破しようと、いろいろな人が論争を挑みますが、ソクラテスの『弁証法』の前にことごとく敗れてしまいます。やがて、このようなソク ラテスの智慧がギリシャの多くの有望な青年たちの心を捉え、ソクラテスを尊敬するようになります。このため、ソクラテスは「アテナイの国家が信じる神々と は異なる神々を信じ、若者を堕落させた」という理由で公開裁判にかけられることになったのです。

soc1

ソクラテス編3 ~命を賭けて へ
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